フランスのノルマンディー地方は酪農が盛んな地域です。ここでクリームやチーズなどの乳製品やりんごを原料としたワインや蒸留酒が作られていることは世界的に知られています。このノルマンディ地方の中にあるカーンという町の名前そのものがつけられた煮込み料理です。
牛には四つの胃袋があり、その総称としてイタリアでは"トリッパ”と発音し、フランスでは"トリップ”となります。その全部をこの地方特産のシードルやカルバドスを使って野菜や香辛料とともにじっくりと煮込むのが本来のカーン風。内臓料理は下処理から仕上げまで、とても手間暇の掛かる料理です。現地ではレストランで食べられるほか、瓶詰などの加工品も売られているほどです。